新型コロナウイルスに風邪薬は効くのか?菌や症状の違いと見分け方の報道
これはコロナウイルスの「種類」がイマイチ伝わっていないために起きる誤解です。
毎日のようにテレビや新聞では、
「コロナウイルスは8割が軽微な症状」
「コロナウイルスは風邪と同じなものがある」
といった曖昧な表現がなされているため、
「だったら、市販の風邪薬も予防や治療法になるのでは?」
という発想になりがちです。
しかし実際はもっと細かなケースに分かれているんですね。
菌や症状の違い1.新型かどうか?
ヒトに感染するコロナウイルスは現在、WHOの報告によると7種類が観測されています。
そのうちの4種類は一般的な風邪の原因になることもあります。
風邪って色々な菌によって起こりうるものなので、その中に実はコロナウイルスも前からあったんですね。
空気中にコロナウイルスは以前からあったわけです。
原因とはいえ10~15%程度の要素(風邪の原因)に過ぎないので、今まで仰々しく
『コロナが危ないぞー』
とは言われなかったわけです。
発症してもどうせふつうの風邪なので。
それなら風邪薬を飲むのが予防・治療の一環として間違いではないのですが・・・
ところが、今回問題となっているコロナウイルスは
『新型』
なのです。
なんですね。
風邪か?新型コロナか?の見分け方 厚労省発表の明確な基準
2020年2月27日時点で、厚生労働省のHPにて以下の公表がなされています。
先日「相談・受診の目安」として公表しました以下の条件に当てはまる方は、同センターにご相談ください。
・ 風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く場合(解熱剤を飲み続けなければならないときを含みます)
・ 強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある場合 高齢者をはじめ、基礎疾患(糖尿病、心不全、呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患など))がある方や透析を受けている方、免疫抑制剤や抗がん剤などを用いている方
・ 風邪の症状や37.5度以上の発熱が2日程度続く場合 ・ 強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある場合
これは今までの発症データをもとに、新型コロナウイルス感染者が4日以上と比較的長期に渡って発熱等の症状を訴えていることが理由とされています。
ただし、これはあくまで「基準」に過ぎません。
厚労省発表の見分け方は絶対ではない
日本醫事新報社のHPによると、ドイツで新型コロナウイルスに感染した33歳の健康男性が、発症から3日で高熱が収まり仕事に復帰できたというNEJM(医学論文)の発表を取り上げています。
https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=13954
つまり、従来の一般的な風邪と同じく、3日以内に体調が回復したものの新型コロナウイルス感染だったという事例がすでに観測されているのです。
さらに、体調が回復して仕事に復帰してからの検査において、なおも多くのウイルス残存量が観測されていたことも公表されています。
多くのウイルスが残っているということは、他のヒトに感染する恐れが考えられるということでもあります。
その時に残っていたウイルスの数値がどれくらい多いかというと、
単純には比較できないが、成人のインフルエンザのウイルス排出に比べて、100倍か1000倍はウイルス量が高濃度である。
臨床的に回復しても、かなりウイルスは残存し、感染性は残る可能性がある。
(引用元:同上)
まとめ
・コロナウイルスには種類があり、「新型」に関しては風邪薬が効くという医学的根拠は見つかっていない
・一般的な風邪の原因となるコロナウイルス菌もあるが、それは今問題となっている新型のものとは全く別物と考えて良い
・国が発表した見分け方は4日以上の37.5度以上の発熱か、2日程度でも倦怠感や息苦しさを伴う場合
・その他高齢者や基礎疾患等の持病を持つ場合は上記に限らない
・ただし風邪と同じような発症~回復期間をもってしても新型コロナウイルスと認められたケースも海外で起きており、油断は禁物
過度な心配や不安は風評被害のもとにもなるので、今後も最新の情報をもとに、未曾有の危機に備えていきましょう!